【モダナイゼーションとは?】成功のポイントや進め方を解説!
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.モダナイゼーションとは
- 2.1.マイグレーションとの違い
- 3.モダナイゼーションが注目される理由
- 3.1.レガシーシステムの問題
- 4.モダナイゼーションの実行プロセス
- 5.モダナイゼーション成功のポイント
- 5.1.初期段階の分析や体制構築に時間を割く
- 5.2.堅実な計画を立てる
- 5.3.基幹システムを理解したうえで実行する
- 6.モダナイゼーション浸透には業務プロセスの変革が必要
はじめに
2018年秋に経済産業省が「DXレポート」を発表した際、複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムの存在が企業の競争力を減退させるという「2025年の崖」問題が提示され、多くの企業が危機意識を持つきっかけとなりました。それから数年が経過し、新型コロナウイルス感染拡大を機にDX化の熱はさらに高まっています。
その際にポイントとなるのが、「モダナイゼーション」と呼ばれるDX手法です。本記事では、モダナイゼーションが注目される背景や具体的な実行プロセス、そして成功のポイントをそれぞれ解説します。
■合わせて読みたいページ
モダナイゼーションとは
モダナイゼーション(Modernization)とは、古くなった現行のIT資産を最新技術に対応する形で更改し、新たな価値を生み出すよう変革する手法です。IT資産とは、システムの基盤となるハードウェアや、該当のコンピューターに入っているアプリケーションなどのソフトウェアやデータベース、そして各システムを実際に利用する際の個別の端末や通信ネットワークなどのことを指します。
新しいビジネス環境へと適用させるために、あらゆるシステムリソースをスコープとして、必要に応じて業務プロセスも含める形で変革するアプローチがモダナイゼーションです。
マイグレーションとの違い
モダナイゼーションと似た概念に「マイグレーション」があります。マイグレーション(Migration)はシステムの移行を示す言葉で、IT資産を別の環境に移行したり、新環境へ切り替えるものです。企業がメインフレームを活用していた時期に、2000年代に従来よりも安価なWindows/Unixサーバーが登場したことで、ハードウェアをオープン系に切り替えようとする機運のもとで生まれました。
一方でモダナイゼーションは、もう少し後の概念です。すでにオープン系で運用されているシステム基盤の、主にはアプリケーションを中心とするIT資産を、最新技術のものへと移行させる際に生まれました。
つまり、マイグレーションがシステム的なROIを高めるものだとするならば、モダナイゼーションはその先のビジネス競争力を高めるものだといえます。
関連記事:マイグレーションとは?成功する進め方のポイントや事例も紹介
モダナイゼーションが注目される理由
なぜ、モダナイゼーションが注目されているのでしょうか。そこには、先述したレガシーシステムの存在があります。
レガシーシステムの問題
冒頭にお伝えしたDXレポートの「2025年の崖」問題では、企業が適切なDXを進められないことで、2025年以降に年間で最大12兆円もの経済損失が生じるリスクがあるとされています。
その要因としては、以下のようにさまざまな事情が存在します。
- 古いプログラミング言語の利用
- ハードウェアの老朽化とサポート切れ
- 保守費用の増大
- 古いシステムアーキテクチャ設計による拡張性のなさ
- 対応人材の枯渇
これらの問題には、レガシーシステムを使い続けているという共通点があります。レガシーシステムとは、導入からの時間が長く経過しており、現場業務にはフィットしているものの、その先の拡張性に乏しいシステムのことです。また、狭義では先述したメインフレーム(汎用コンピューター)による基幹システムのことを示す場合もあります。
レガシーシステムでは法改正や業務変更に伴うシステム改修にパッチ的な対応しかできないため徐々に複雑化・ブラックボックス化し、結果的に保守工数や運用コストが増大してしまいます。
だからこそ、抜本的にシステムを更改するモダナイゼーションが多くの企業にとって期待の手法となっているのです。
モダナイゼーションの実行プロセス
モダナイゼーションにはどのような実行プロセスがあるのでしょうか。以下に3つの手法をご紹介します。
リプレース
リプレースとは、既存の機器やシステムを全く別のものへと刷新する手法です。これまで運用してきたレガシーシステムの負の遺産を受け継ぐことなく、抜本的な業務プロセス改善も行ったうえで、システムを再構築します。
メリット
システムのみならず業務プロセスを含めた運用全体を見直せるので、理想的な業務運用体制を構築でき、新しいビジネスモデルへの対応も可能です。よって、企業全体の生産性が向上し、不確実性の高いVUCAな時代においてもビジネス競争力を高めやすくなります。
デメリット
業務プロセスを見直し、場合によっては全システムの再構築が必要になるので、莫大な初期コストがかかり、業務変革の影響範囲も広くなることが懸念されます。
リライト
リライトとは、既存のIT資産を生かしながら言語やプログラムといったソフトウェアを移行する手法です。古い言語を使用していて拡張性に乏しいことが課題となっている企業にとっては、リライトでのモダナイゼーションが適しています。
メリット
既存のIT資産を生かしてモダンな言語による拡張性を享受できるので、リプレースよりも低いコストで新しいビジネスモデルへの対応などを実現できます。
デメリット
現行システムでどのようなプログラムがどのように動作しているのかを、抜け漏れや被りなくリサーチする必要があります。漏れが発生した場合は、レガシーな機能を残さなければならないケースもあるので、システム的なダブルスタンダードとなり保守性の低下につながってしまいます。
リホスト
リプレースやリライトがシステムの刷新であるのに対して、リホストは主にレガシーシステムの延命措置として採用される手法です。言語やプログラムといったソフトウェアの更改には着手せず、サーバーやOS、ミドルウェアといったハードウェアだけが移行対象になります。オンプレミスからクラウドへの移行も、リホストプロジェクトです。
メリット
ハードウェアに絞った移行なので、とくにクラウド化する場合においてコスト面での負担が少なく、また事業継続計画にも有効な対応となります。
デメリット
基本的にはレガシーシステムを残すことになるので、これまで蓄積されてきた保守性の低さなどのネガティブポイントも引き継いでしまいます。
モダナイゼーション成功のポイント
モダナイゼーションを成功させるためのポイントについて、以下3点をお伝えします。
初期段階の分析や体制構築に時間を割く
モダナイゼーションプロジェクトを進めるにあたり、初期段階で現行のIT資産がどのように構築・運用されていて、どのメンバーがどのようなオペレーションを実行しているのかなど細かい分析が必要です。リライト手法のデメリット面でもお伝えした通り、この分析に漏れがあると、追々の段階で想定漏れが発覚し、スケジュールの遅延やシステム稼働後の運用コスト増大につながってしまいます。
また、プロジェクトを進めるための適切な体制構築も不可欠です。たとえばリプレースプロジェクトを進める場合は、システム部門のみならず、各種現場部門や経営層も含めたプロジェクト推進体制を構築しないと、意思決定や具体的な分析作業、システム構築作業などの各タスクレベルでトラブルが発生する可能性が高まります。
堅実な計画を立てる
レガシーシステムを早急に刷新したいあまり、無茶なモダナイゼーション計画を立案してしまうと、現場の体制が整わなかったりコストが増大したりとプロジェクトの難易度が上がり、途中で頓挫してしまうリスクが高まります。
一度にすべての刷新が難しい場合は、リホストなどで段階的に進めることも検討しましょう。
基幹システムを理解したうえで実行する
企業の基幹システムは、フルスクラッチで構築されていることもあれば、ERPのようなパッケージが導入されている場合も。個別カスタマイズを許容しないパッケージシステムであればモダナイゼーションの難易度はそこまで高くないものの、ほとんどの企業では、何かしらの個別カスタマイズを施しているのが現状です。
とくに帳票系やデータ連携系については、サードベンダーによる特性プログラムが走っている場合も多く、システム稼働と同時にトラブルが頻発するケースも見受けられます。このような個別要件をしっかりと把握して理解し、適切に対処することが、安全安心なモダナイゼーション実行には必要です。
モダナイゼーション浸透には業務プロセスの変革が必要
今回はモダナイゼーションについて、注目される背景や具体的な実行プロセス、成功のポイントを解説していきました。モダナイゼーションの成功が、企業のDX化にはますます欠かせないといえるでしょう。また、モダナイゼーションを全社に浸透させるには、業務プロセスの変革も必要不可欠です。
コネクシオでは、自社の業務プロセスを改善したい企業様へ、モバイルを活用したソリューションを中心に様々なツールをご提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。
■合わせて読みたいページ