社用(法人)携帯・スマートフォンの管理コストのほとんどは、人的対応といっても過言ではありません。その内容は、端末の選定、契約から運用・サポートまで実に多岐にわたります。導入から運用までの一連の流れと発生する業務を解説します。
端末の選定から契約関連の管理対応
何より重要なのは、機能、堅牢性、コストなどの視点で端末の機種を選定することです。法人によって利用するシーンや環境、頻度は異なってくるので、安易にコストだけで判断することなく、検証を行う必要があります。業務利用しているアプリケーション、社内システムへのネットワークなど、利用範囲が広がるほど検証項目は増えます。そのため、キャリアやMVNO事業者、代理店から見積もりをとって、必要なサポート体制が整っている事業者を探さなくてはいけません。
【想定される管理コスト】
- 端末の選定・検証
- プラン、コストの確認
- 新規契約(追加端末)対応
- 契約書の管理
など。
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導入からキッティングなど設定関連の管理対応
契約した事業者がキッティングを行ってくれると、自社が望んだ状態で端末が納品されますが、コストを抑えてキッティングを社内で行う場合は、下記に挙げたような業務が発生します。端末の台数が多いほど、工数がかかるので情報システム部門の大きな負担となります。必要なアプリケーションやツールの設定はもちろんですが、コンプライアンスや社内でのルール、ポリシーの則り、SNSやカメラなどの利用制限もしなくてはいけません。新しい機能やアプリを導入する場合は、新しいルールの策定も求められます。
【想定される管理コスト】
- 端末の動作管理
- OSのバージョン設定・管理
- 利用ツールの更新、設定・管理
- セキュリティ対策
- 機能の制限・管理
- ルールの策定
など。
運用後の管理対応
運用がスタートしても、情報システム部門の管理コストが下がることはありません。日々の代表的な業務として、社内のヘルプデスク対応やセキュリティ対策としての各種端末の利用監視(アクセスやログ)、効果検証のためにツールやアプリの稼働状況のモタニタリングも必要です。端末数が多いほど業務の負担は大きくなります。MDMやEMMを導入することで、一元管理が可能になるので、ぜひ活用したいところです。
OSやアプリのアップデートはPCより頻度が多くなりますが、社用(法人)携帯・スマートフォンの場合は、最新バージョンをすぐにダウンロードをするわけにはいかず、検証は常に必要になります。そのため社内へのセキュリティ上の注意喚起やルールの周知などにも対応しなくてはいけません。
【想定される管理コスト】
- 機能サポート、故障などのヘルプデスク対応
- 利用・稼働状況の監視とモニタリング
- 盗難・紛失時の対応
- ポリシーやルールの社内周知
- アップデートの検証
- バッテリー管理
など。
発生する業務量もコストとして捉える
これらの対応を社内で管理する場合、複数の部門を横断して対応しているケースも少なくありません。そして、端末数が増えた場合の管理工数増大も容易に想像できます。
DX推進が求められる現在、多くの企業でIT機器、ソリューションへの投資も増大していますが、同時に発生している課題が情報システム部門の負担増大です。金銭的コストだけではなく、導入・運用におけるIT・DX人材のリソースもコストとして捉えることが肝心です。今後さらなる推進が求められるDX・IT活用で、担当者が日々の業務に追われていると、未来への投資が進まなくなるリスクが発生します。
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もし、管理課題が既に明確化しているようであれば、自社の運用上どこに工数がかかっていて、誰がどのように動いているのかを整理しましょう。本当にその担当者が対応しなければいけないことなのかを定義することで、解決しなければいけないポイントが見えてくることでしょう。