企業に対して商品やサービスを通して、価値を提供するビジネスモデルであるBtoB。個人の生活者向けのBtoCマーケティングと同じような戦略では、効果を得にくいという課題があります。BtoBマーケティングを成功させ、自社の知名度をぐっと高めるためには、どのような施策をする必要があるのでしょうか?今回は、BtoBマーケティングの具体的な手法について詳しく解説いたします。

BtoBマーケティングとは?

はじめに、BtoBとBtoCの違いについてご説明します。BtoBとは「Business to Business」、つまり法人相手のビジネスのことです。BtoCとは「Business to Customer」、個人の生活者相手のビジネスを指します。取引する対象が法人、個人となると購買プロセスが大きく変化します。そのため必要とされるマーケティング手法もまったく異なります。

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティング

BtoBマーケティングの施策は大きく「インバウンドマーケティング」と「アウトバウンドマーケティング」の2つに分かれます。

アウトバウンドマーケティングは、企業主体のプッシュ型のマーケティング手法で、テレビCMやテレマーケティングやイベントなどで、ターゲットの意思にかかわらず、強制的に情報を届ける手法です。不特定多数へ一度にアピールすることができるのが強みです。

一方でインバウンドマーケティングは、魅力あるコンテンツを提供して、ターゲット側から能動的に企業に興味を持ってもらうマーケティング手法です。検索エンジン、SNS、メルマガなどで生活者や企業担当者とのタッチポイントを創出するのが代表的です。成果が出るまで時間がかかりますが、緻密な戦略を描き、実行することでターゲットをピンポイントで獲得できる強みがあります。

◎インバウンドマーケティングとは?デジタル時代のマーケティング手法をわかりやすく解説

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BtoBとBtoCの購買プロセスの違い

次にBtoBとBtoCの購買プロセスの違いについて解説します。

①購買の関与者と利用者

BtoBでは商品やサービスを購入する場合、例外を除いて必ず複数人の意思が関与します。担当者が権限を持つのではなく、金額が大きくなれば稟議を提出しなくてはいけません。一方、BtoCでは意思決定者はほぼ1人で、利用者と購入者が一致するケースがほとんどです。

②意思決定の要因や心理

BtoCの場合は、好きなタレントやインフルエンサーの影響を受けた、CMで良さそうだと感じた、など直感的・情緒的に購買の意思決定をするケースが多くなっています。しかし、BtoBでは費用対効果を競合比較も交えて、非常に論理的に判断します。

③意思決定までに時間がかかる

①と②で解説した違いにより、BtoBとBtoCでは購買決定まで時間に大きな差が生じます。意思決定に関与する人数の多さ、多角的な比較検討に加え、企業の経営状況など外的要因などにも左右されるので、BtoBではサービスや商品を検討し始めてから決定するまでの期間は非常に長くなります。その期間、常に検討をしているわけではありませんので、適切なタイミングで適切なアプローチをすることが求められます。

購買プロセスを知り、適切な打ち手を

BtoBマーケティングでは、サービスや企業名の認知から商談、購買決定まで非常に長い時間が必要となります。そのため自社の顧客起点でマーケティングファネルやカスタマージャーニーマップ、購買プロセスを分析する必要があります。

以前はAIDMAモデルやAISASモデルが代表例でしたが、マーケティングオートメーション(MA)やSFA(営業支援ツール)、CRM(顧客関係管理)ツールなどデジタルソリューションが台頭している現在では、企業ごとに一様ではなく、非常に細かく行動分析をしています。

【様々な購買プロセス】

①認知→興味関心→比較検討→購入
②無関心→課題認識→情報収集→比較検討→商談→社内稟議→受注
③未認知→認知→情報収集→コールドリード→育成→ホットリード→商談→案件化

購買プロセスは細分化することでより顧客への理解が進みます。例えば、ターゲットとなる企業が自社を認知していない場合、どのような施策が考えられるのか? 情報収集段階ではどのようなコンテンツや施策を打ち出すべきか? ターゲットの購買プロセスに応じて、打ち手を講じることでBtoBマーケティングの土台ができます。

BtoBマーケティングでよくある課題

次にBtoBマーケティングを進める上で代表的な課題を紹介します。

課題1:専門的人材やリソースの不足

以前とは異なり、デジタル上で営業が完結することも珍しくない現在、BtoBマーケティングを行う上でデジタルマーケティングの知見が必要となります。またSFA、MAの専門的人材がいない場合やコンテンツ制作のリソースやコストも課題となります。

課題2:長期間の施策になるため成果が見えにくい

予算を投入しても、そのマーケティングによって売上が向上しなければ意味がありません。「低いコストで高いマーケティング効果を得る」といった投資効率を上げる必要があります。前述しましたが、顧客起点で購買プロセスを把握して、適切な状態で適切なタイミングでアプローチをする必要があります。MAやSFAを導入することで効率化を期待できますが、上記の通り、使いこなせる人材の育成・確保も課題となります。

課題3:部門間連携

マーケティング部門とセールス部門の目的と役割を明確にし、顧客データを一元管理しなければ、マーケティング戦略は機能しません。SFAやMA、CRMは効率や成果を向上するツールではありますが、マーケティング戦略を変更する際、機能に合わせて適宜組織の変更も視野に入れなくてはいけません。

BtoBマーケティングで成果を出す為のポイント

自社の商材の認知度を向上させ、顧客起点でマーケティング施策を適切に講じるには、様々な視点が必要となります。BtoBマーケティングで効果を上げるためのポイントについてご紹介します。

自社商品について深堀する

まずは、自社商品について深く掘り下げていきましょう。「強みはなにか?」「他社との差別化はできているのか?」など、時として辛口になることもありますが、品質向上のために必要なことです。

自社商品を採用することのメリットの考察

顧客満足度調査でヒアリングする手法は有効です。顧客の視点に立ったときに、「なぜ自社製品を選んだのか」「契約を決めたポイントはなにか」なども有用な情報となるでしょう。またWEB検索をするのもおすすめです。「どういった目的で検索されているのか」について商品名やサービス名などで検索してみると意外な情報が出てくるかもしれません。

競合他社について考察

自社が認識している競合他社に加えて、同じような商品を検索したときに出てくる企業や、別のサービスでも提供価値が近い企業は競合他社になり得ます。顧客は情報収集フェーズで様々なWEB検索をします。その際に検索上位に出る企業に問い合わせする傾向があるので、インターネット上での検索上位企業を調べるようにしましょう。

考察した情報のアウトプット

自社、競合、市場(ユーザー)を分析することで、自社の強みや弱み、ポジショニングが見えてきます。ここまで考察した情報をアウトプットします。まずは、文章でアウトプットしたうえでプレゼン使用や画像、動画、紙媒体などに展開するとよいでしょう。

マーケティング法について検討と展開

顧客の購買プロセスに合わせて、WEB、展示会、電話、DMなど商品やターゲットに合ったマーケティング法を検討して、カスタマージャーニーマップ(アクションマップ)を作りましょう。顧客の状態に合わせて、どのチャネルでどのようなコンテンツや施策を打つのかを理解できる設計図となります。

BtoBマーケティングの具体的な手法

認知度を向上させるための具体的なマーケティング手法としては、インターネットを用いる方法が有効です。

SEOの向上

多くの顧客は、初めての商品を調べる場合、WEB検索を行います。SEO対策を行い、検索結果の上位に出るようにすることで、自社サイトへの流入を増大させることができるでしょう。一般的に、上位に表示されるサイトは、キーワードや業界で重要な位置づけにあると捉えられることが多い傾向です。

自社メディアの充実

自社メディアで、商品の展開をするだけではなく、役立つ情報を展開することで、顧客との接点を増やしていきましょう。また、自社メディアに誘導するために、SNSを活用するのも有効な手法です。顧客の悩みや欲求を解決する情報を掲載していくことで、購買意欲を向上させることが期待できます。

おわりに

BtoBマーケティングでは、会社の知名度以上に会社の認知度が重要です。会社の展開している商品の強みや、メリットを知ってもらうことで、顧客の購買意欲の向上だけではなく顧客間へ波及していくことも期待できます。BtoBマーケティングを行う際には、認知度の向上を意識して施策を打ち出していくようにしましょう。

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