法人携帯にセキュリティソフトは必要?3つのメリットや比較ポイントまとめ
従業員への法人携帯の配布を検討している会社によっては、セキュリティソフトの導入を考えている場合もあるでしょう。
法人携帯のセキュリティ対策は、会社の情報漏洩を防いだり従業員をトラブルから守ったりするためにも大切です。
携帯そのものにもセキュリティ対策は施されていますが、セキュリティソフトを活用すれば、より効果的な対策が期待できます。
ただし、セキュリティソフトを導入する場合は、機能や費用のほか、インストール元が問題ないかなどの確認も必要です。
今回は、携帯セキュリティソフトの必要性や比較方法、導入するにあたっての注意点などについてご紹介します。
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法人携帯のセキュリティソフトとは
セキュリティソフトは、サイバー攻撃から利用者を守るためのソフトウェアです。
セキュリティソフトの役割は、大きく分けて以下の2つがあげられます。
- ウイルスやフィッシング攻撃などの検出・感染防止
- 個人情報の保護
昨今のセキュリティソフトは機能が多岐にわたっています。
ウイルスの検知だけでなく、迷惑メールのフィルタリングや、使用するブラウザーで怪しいサイトを開きにくくするものなどが代表例です。
導入の目的と必要な機能を明確にして適切なセキュリティソフトを選べば、より高いセキュリティ対策を実施できるでしょう。
また、従業員が使っているモバイル端末を管理するのであればMDM(Mobile Device Management)の導入もおすすめです。
使用状況の把握や、セキュリティやネットワーク設定の一元管理などが可能となります。
MDMについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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法人携帯にセキュリティソフトが必要な理由
法人携帯自体に元からセキュリティ対策がなされていても、さまざまな理由で法人携帯のセキュリティが脅かされるリスクがないとは言い切れません。
ここでは法人携帯にセキュリティソフトが必要な2つの理由を解説します。
情報漏洩を防ぐため
法人携帯にセキュリティソフトが必要な理由の一つに、情報漏洩を防ぐ目的があげられます。
携帯の標準搭載されたセキュリティのみでは、フィッシング詐欺やウイルス感染などの被害を受けた場合に、情報漏洩が起こるかもしれません。
また、不正なアプリを携帯に入れてしまったときも、情報漏洩する可能性があるでしょう。
ほかにも、会社で運用しているSNSアカウントやパスワード漏洩などのリスクも伴います。
こうした会社の情報漏洩は顧客からの不信、そして業績悪化にもつながりかねません。
セキュリティソフトを導入することで、マルウェアやウイルス対策がしやすくなり、トラブルの発生を防げるでしょう。
不正利用を防ぐため
情報漏洩は意図的に行われる悪質なケースもあるため、外部だけでなく内部からの対策も必要です。
特に法人携帯は、外出先で盗難や紛失が起きた場合、第三者によって不正利用されるかもしれません。
セキュリティソフトで対策しておくことで、意図的な情報の持ち出しや、不正利用のリスクを軽減できるでしょう。
中には複数台をまとめて管理できるセキュリティソフトもあり、社内でのセキュリティ管理に役立ちます。
個人に任せるよりも、会社側で一括管理しているほうが、安全性は高くなるためおすすめです。
法人携帯にセキュリティソフトが不要・いらないと言われるのはなぜ?
法人携帯として用いられるのは、スマートフォンが多いです。
スマートフォンには独自のセキュリティ対策が設定されていることから、セキュリティソフトが不要であるという意見もあります。
たとえば、Androidでは「Google Play プロテクト」機能により、不正アプリのチェック、検知が可能です。
すでにインストールしているアプリも対象となるため、あとから導入した場合でも、一定のセキュリティ対策が行えるでしょう。
iPhoneの場合は、主に次の2つの理由で「セキュリティソフトは必要ない」といわれています。
- 定期的にOSがアップデートされる
- 審査を通過したアプリしかApp Storeでは配信されない
ただし、盗難・紛失時の悪用や意図的な情報の持ち出しなどには、上記の機能で対策しきれません。
このことから、一概に「法人携帯にセキュリティソフトが不要」とは言い切れないでしょう。
法人携帯にセキュリティソフトを導入する3つのメリット
法人携帯にセキュリティソフトを導入するメリットは、セキュリティ対策だけではありません。
ここではセキュリティソフトを導入する具体的なメリットとして、3つのポイントを紹介します。
トラブルがあったときにサポートしてもらえる
セキュリティソフトを導入すると、トラブルが起きた際にすぐサポートしてもらえます。
携帯独自に搭載されているセキュリティ対策では、サポートセンターへ相談してもすぐに対応してもらえない可能性があります。
一方でセキュリティソフトのサポート方法の場合は、電話やメールなど、サービスの提供元に問い合わせると、すぐに対応してもらえるでしょう。
なお、無料のセキュリティソフトでは一部サポート対象外となっているケースがあるため、インストールする前に確認サポート範囲を確認してください。
有料版のセキュリティソフトであれば、無料版と比べてサポート範囲が広く設定されている可能性が高いです。
迷惑メールの自動分類により業務の効率化につながる
法人携帯では、電話のみでなくメールでやり取りをすることもあるでしょう。
その中で、迷惑メールを始めとする業務と関係のないメールを仕分ける作業は、時間も手間もかかります。
さらに、迷惑メールが多ければ重要なメールを見落としてしまうかもしれません。
セキュリティソフトによっては、メールの仕分け作業を自動で行ってくれるものもあります。
これにより従業員はメール確認の手間が減り、顧客への返信を始めとする自分の作業へ集中しやすい環境が整います。
また、なりすましメールを最初から迷惑メールに分類してくれるため、誤って開封し情報漏洩につながるリスクが軽減できるでしょう。
リアルタイムで監視できる
セキュリティソフトは、リアルタイムでさまざまなセキュリティに対する脅威を監視しています。
異常があればその場で検知されるため、ウイルスやフィッシング詐欺など防止しやすい点がメリットです。
また、ウイルスやフィッシング詐欺のみならず、個人情報やプライバシーに関するデータの情報漏洩リスクも回避できます。
法人携帯を初めて支給した場合や、普段と異なる機種を使用する場合なども安心して利用できるでしょう。
法人携帯のセキュリティソフトを比較するポイント
法人携帯のセキュリティソフトは多種多様で、どのセキュリティソフトが自社に合っているかは状況により異なります。
人気があったりおすすめされていたりするセキュリティソフトが、必ずしも自社に合っているとは限りません。
- 搭載機能
- 対応OS
- 対応台数
- 費用
- サポート体制
比較する際に注目すべきポイントとして、ここからは上記の5つを解説します。
搭載機能
セキュリティソフトを比較する際は、まず基本的なセキュリティ対策機能を確認しましょう。
確認する際は、悪質なプログラムであるマルウェアに対策できているか、プライバシー保護に優れているかなどがポイントです。
プライバシー情報保護機能があれば、携帯で偽サイトやアプリに個人情報を入力させることによる不正操作を防ぎやすくなります。
ほかにも、迷惑メールの分類機能やIDパスワードの管理機能など、欲しい機能があれば揃っているかもチェックしておきましょう。
対応OS
セキュリティソフトによって、対応しているOSは異なります。
OSの種類はもちろんですが、それに伴ってどのバージョンに対応しているのかも確認しておきましょう。
また、製品によっては、WindowsやmacOSといったパソコンにも利用できるケースがあります。
同じ製品をパソコンや携帯でも使いたいときは、どのOSに対応しているのかをよく確認しておくとよいでしょう。
対応台数
携帯のセキュリティソフトは、1つのライセンスで複数台に利用できるものや、1台までと決まっているものなどがあります。
会社で使う場合は、複数台で使えるセキュリティソフトを選ぶとよいでしょう。
製品によっては端末数が無制限のものもあり、1つのライセンスでまとめて管理したいときに向いています。
なお、対応台数とともに対応年数もチェックすべきポイントです。
毎年新しいソフトを導入する場合は1年、コスト重視なら2年や3年対応できる製品を選んでみてください。
費用対効果
費用対効果も、セキュリティソフトを比較するポイントの1つです。
セキュリティソフトによっては、無料で利用できる製品もありますが、セキュリティを重視するなら有料版のほうがよいでしょう。
無料版は、ウイルスの検知ができたとしても、その先のセキュリティ対策までは対応していないケースがあります。
特に、法人で使うなら費用のみに注目するのではなく、機能や内容の確認が大切です。
自社が求めるセキュリティ対策が可能か、搭載されている機能に対して価格が見合っているのかをよく検討しましょう。
サポート体制
有料版のセキュリティソフトでは、サポート体制が充実しているケースがあります。
従業員がトラブルに見舞われた際、スムーズに対応してくれるサポートがあれば、自社で対応する必要がありません。
そのため、結果として業務の効率化につながります。
製品によっては24時間365日対応していたり、LINEを用いて相談できたりする場合もあるため、自社で扱いやすいものを見つけましょう。
サポート体制が整っていれば、万が一トラブルが発生した場合も事態の悪化を防ぎやすいです。
法人携帯のセキュリティソフトを選ぶときの注意点
セキュリティソフトを選ぶときは、以下の2点に注意しましょう。
- 公式サイトから購入・インストールする
- 複数のセキュリティソフトを導入しない
安心してセキュリティソフトを利用し、十分に効果を得るために、2つの注意点を覚えておいてください。
公式サイトから購入・インストールする
セキュリティソフトやアプリの購入・インストールは、必ず公式サイトから行いましょう。
公式サイト以外からインストールすると、偽ソフト・偽アプリを導入してしまう可能性があります。
App StoreやGoogle Playストアに掲載されているアプリは一定の基準を満たしたものです。
そのため、セキュリティ面にも配慮していると考えられます。
公式サイト以外からセキュリティソフトを購入・インストールすると、個人情報の引き抜きにつながる可能性があり、情報漏洩のリスクが高まります。
複数のセキュリティソフトを導入しない
携帯のセキュリティソフトを複数入れると、相互に干渉しあって本来のセキュリティ効果を発揮できなくなる可能性があります。
本来の効果が発揮できないことで、セキュリティ対策が機能しないかもしれません。
セキュリティソフトは、基本的に1つに絞ってインストールしましょう。
ただし、比較検討するために、無料の体験版をダウンロードして1つずつ試す分には問題ありません。
法人携帯でできる主なセキュリティ設定・対策
ここでは、携帯のセキュリティソフトを導入する以外でできる、6つの対策をご紹介します。
関連資料:3つのニーズ別に考える、モバイルデバイスの業務利用で必要となる対策
パスワードは使いまわさない
法人携帯では、できるだけ同じパスワードは使いまわさないようにしましょう。
複数のサイトやアプリで同じパスワードを使用していると、第三者に漏洩し、多くのサイトやアプリへ不正アクセスにつながるためです。
また、定期的なパスワード変更は、これまではセキュリティ面の強化につながるとして推奨されていましたが、現在は不要と言われています。
ただし、不正アクセスが試みられた形跡があるときは、パスワードを変えたほうがよいでしょう。
パスワードのほかに、指紋や顔認証などの生体認証、ワンタイムパスワードの発行などによる二段階認証を導入することも選択肢の1つです。
パスワードは英数字、大文字と小文字が入り混じった文字列を採用し、推測されやすいものは避けましょう。
OS設定は常に最新にする
OSの更新が実行されるのは、OSに脆弱性や不具合が見つかったときです。
OSの更新を放置していると、脆弱性に付け込まれ、サイバー攻撃の対象として狙われる可能性があります。
アップデートには時間がかかることもありますが、ウイルス感染や情報漏洩のリスクや手間を考えると、放置する方が危険です。
なお、更新されるタイミングで通知が来るように設定しておけば、忘れずに実行できます。
シャドーITを禁止する
シャドーITとは、社内で許可を出していない・把握できていないIT機器やシステムを、従業員が使用している状態を指します。
例えば、フリーWi-Fiや社用でないクラウドソフトなどがあげられるでしょう。
在宅勤務やフレックス制を導入している会社では、従業員がカフェや商業施設で作業を進めるケースもあります。
カフェや商業施設のWi-Fiは無料で使えることも多くありますが、その分セキュリティ対策としては不十分な可能性があるため注意が必要です。
また、フリーWi-Fiになりすましたアクセスポイントに接続してしまうと、そこから個人情報の漏えいにつながる場合あります。
基本的にはフリーWi-Fiの使用を禁止し、会社が使用を認めていないアプリのインストールも制限するとよいでしょう。
関連記事:「シャドーIT」が企業にもたらすセキュリティリスクとは?原因と対策を解説
バックアップを取っておく
データの更新や新規データの作成時などは、携帯のデータであってもバックアップを取っておきましょう。
万が一従業員の誤操作でデータが消えたり、情報が変わったりしたときにどこが変わったのかをすぐに確認できるためです。
また、もし法人携帯がサイバー被害に遭い、該当する携帯を初期化しなければならなくなったとき、バックアップがあれば新しい携帯にスムーズにデータを移せます。
また、自社情報だけでなく顧客情報の消失トラブルの防止にも効果的です。
サイバー攻撃以外に、災害によるデータの復旧作業もしやすくなるメリットもあります。
社内でルールを策定し共有する
法人携帯を配布する前にルールを策定しておき、携帯を渡すときに従業員へ共有するのもおすすめです。
分かりやすいルールを共有しておくと、法人携帯の管理につながります。
ルールには、法人携帯の使用に関する具体的な内容を明記します。
たとえば「フリーWi-Fiは利用しない」「指定アプリ以外はインストールしない」などです。
そのほかにも、万が一トラブルが発生したときはどうすべきかの流れも決めておくと、不測の事態に備えられます。
関連記事:社用携帯の管理に利用ルールは必須!押さえておきたい4つのポイントを解説
MDM(モバイルデバイス管理)を導入する
MDM(モバイルデバイス管理)とは、法人携帯を一括管理できるツールです。
複数の端末を遠隔から操作できるため、携帯紛失時に画面をロックしたり使用制限をかけたりできます。
紛失や盗難時には、情報漏洩のリスクを最低限に抑えられます。
また、従業員による不正利用を未然に防止できる点もメリットです。
コネクシオではMDM市場で14年連続シェアNo.1のモバイル管理サービス「CLOMO」などを取り扱っています。
モバイル端末の私的利用や紛失・盗難時のリスク、複数のOSの端末管理などに課題を感じているなら、ぜひ一度お問い合わせください。
関連資料:MDM・EMM選び方ガイド
関連記事:MDM(モバイルデバイス管理)とは?できることや導入メリットをわかりやすく解説!
政府も携帯のセキュリティ対策を呼び掛けている
セキュリティソフトやアプリの導入を始めとする携帯のセキュリティ対策は、政府からも呼び掛けられている問題です。
内閣府大臣官房政府広報室の政府広報オンラインによると、スマートフォンを狙った詐欺や不正アプリの被害が増加しています。
サイバー攻撃の内容はさまざまで、ショートメッセージやメールでURLが送られてきたり本物そっくりのサイトで情報収集したりするケースなどがあります。
URLはクリックするだけでも情報漏洩につながるケースがあるため注意が必要です。
政府広報オンラインで推奨されているセキュリティ対策には、セキュリティアプリやサービスの利用も含まれています。
セキュリティに配慮した法人携帯の運用なら「マネージドモバイルサービス」
コネクシオでは、セキュリティソフトのほかに社用モバイル端末を運用管理する「マネージドモバイルサービス」を提供しています。
会社の状況に合わせて導入前のルール策定や導入後の故障・修理時の対応など、幅広い支援が可能です。
セキュリティ面でのポリシー策定や、MDMの管理・運用体制の構築支援を始めとするセキュリティ面でのサポートも充実しています。
15年以上、57万回線を超える運用実績から、お客様に最適なソリューションを提案します。
運用状況の一元管理やオンライン対応により、効率よくモバイル運用を実施できるでしょう。
関連資料:マネージドモバイルサービス ガイドブック
特徴
マネージドモバイルサービスでは、導入前から実際に導入するまでに以下8つのサポートを実施します。
- 運用設計
- MDMなどの管理・運用体制
- セキュリティ面でのポリシー策定
- 選定・調達
- 端末の各種設定
- アプリのインストール、利用制限
- トレーニング
- 資産管理シール貼付、付属品管理
さらに、実際に法人携帯が導入されたあとも、トラブルの各種問い合わせや故障・紛失にも対応が可能です。
必要に応じて端末の入れ替えや廃棄も行うため、安全面のリスクを最小限に留められます。
事例
マネージドモバイルサービスを導入した事例をご紹介します。
不動産・住宅業を営むA社では、スマートフォンの全社導入を決定し、社内稼働を削減するためにサービスの利用を決断しました。
結果、利用者である従業員からの問い合わせや管理業務の委託により、管理者がもともと自分の持っていた業務に集中して取り組めるようになっています。
B社では、スマートフォンの導入後、一度自社での運用管理を試みたものの、稼働がひっ迫することが判明したため、サービスを利用して、社内携帯の管理委託を実施しました。
すると、業務の効率化につながり、従業員が外出時にできる業務内容の拡大が実現しています。
その他の事例はこちらもご確認ください。
携帯のセキュリティソフトも活用して従業員と企業の情報を守ろう
法人携帯を従業員に配布して運用する場合、携帯独自のセキュリティ対策だけでなく、セキュリティソフトによる対策も必要です。
情報漏洩や不正利用を防止することで、従業員や会社が不利益を被るリスクが回避できます。
セキュリティソフトを導入するときは、機能や費用、どこまでサポートしてもらえるかなどを確認しておきましょう。
法人の場合、MDMの導入も検討したほうが、効率よく作業を進めやすくなります。
MDMの導入を始めとする、法人携帯の運用管理が自社のみでは難しいときは、「マネージドモバイルサービス」の利用がおすすめです。
導入前の設計から導入後の運用状況の一括管理など、多様なサポートにより、お客様のニーズに合わせた支援をしています。
セキュリティソフトでお悩みなら、ぜひコネクシオへご相談ください。
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