はじめに
超高齢社会へと突入し、労働人口の減少が確実である日本。とくに中小企業では、近い将来深刻な人材不足に陥ることが目に見えています。そのような状況に対し、コンスタントに成果を出し続けるためには自社の玄関口である営業活動の見直しや効率化が欠かせません。そして、営業改革を進めるにあたり多くの企業で活用されているのがクラウド型CRMシステム「Salesforce(セールスフォース)」です。
本記事では、Salesforceの機能概要や導入のメリット、導入成功事例などについて解説していきます。
そもそもSalesforceとは?
Salesforceは、セールス・フォース社が提供する顧客管理ソリューションです。グローバルでトップレベルのシェアを誇り、営業・マーケティング・カスタマーサービスなど、それぞれに特化した仕組みを一つのプラットフォーム上で動かしており、相互に連動して利用できます。
あらかじめ豊富な機能を取り揃えたパッケージとしての側面がありつつ、カスタマイズ性も高いので、自社にあった仕組みを構築しやすいことが最大の特徴です。一方で、多機能であるがゆえに使いこなすまでに時間がかかり、ランニングコストが高額になってしまうケースもあります。導入にあたっては、自社に合ったプランをしっかりと見極める必要があるでしょう。
Salesforceでできること
次に、Salesforceの機能について見ていきましょう。
案件管理
案件管理といっても企業によって業務の流れは様々です。Salesforceでは、既存業務に合わせて入力項目の選択や自動化の仕組みを構築できるため、従業員が負担なく案件状況を入力できます。また、システム導入によるスイッチングコストを最小限にすることが可能です。
営業活動の進捗管理
営業メンバーそれぞれの営業進捗を見える化し、ダッシュボード上で一元管理できます。可視化するダッシュボード機能のほかにも、入力したデータを自動集計するレポート機能がついていたり、クラウドで進捗をリアルタイムに把握できたりするため、最新情報をもとにした営業方針の変更にも臨機応変に対応可能です。
顧客管理
Salesforceの根幹となる機能が顧客管理です。顧客との打ち合せ内容や、クレームを含めたフィードバックなどがすべて集約・蓄積されます。もちろん関係者であれば誰でも確認できるため、営業担当者が変更になった場合や、長期案件でもともとの成約に至った経緯が知りたい場合など、様々な場面で顧客情報が属人化することなくスムーズに状況把握できるでしょう。
売上予測
担当者別、チーム別、期間別など様々な切り口で売上予測を確認できます。目標に対しどの程度の売上を立てられているかも確認できるため、進捗の把握にも役立つでしょう。また、受注確度ごとに予測を見られるため、「確度が高い案件を〇件受注すれば目標達成」などの項目が可視化され、具体的なアクションプランも立てやすくなります。
ワークフローのデジタル化
社内手続きや業務プロセスのデジタル化も構築可能です。たとえば営業活動においては、案件のフェーズが進んだらタスクが自動で割り当てられるように設定できたり、発注書の作成ができたりと幅広い業務の効率化に寄与します。
また、経費申請や出張申請など多岐にわたる社内手続きの承認がワンクリックで処理できるようになるなど、承認プロセスの簡素化も可能です。
中小企業にこそ必要。Salesforce導入のメリットとは
次に、Salesforce導入のメリットを見ていきましょう。
人的コストの削減と生産性の向上
Salesforceの活用により、営業活動に関する情報の一元管理やワークフローのデジタル化が実現できるため、これまで手作業で行っていたあらゆる業務が自動化可能です。また、パソコンだけでなくモバイル操作も不自由なく行えるため、営業担当者は移動中に商談結果の入力ができるなど、時間の有効活用にもつながります。
そのぶん各従業員はより重要な業務に時間を避けるため、人的コストの削減と同時に生産性の向上も期待できるのです。
イニシャルコスト・ランニングコストの最適化
Salesforceは利用人数に応じてアカウント数やライセンス形態を選択できるため、必要な分だけ必要な機能を使用できます。たとえば営業部門は多くの機能を利用できるライセンスを、そのほかの社員には低額なライセンスを割り当てるといった対応も可能です。
自社の実情に合わせて無理なく導入でき、イニシャルコストとランニングコストを最小限に抑えられるのもメリットの一つと言えます。
営業力の強化
自身やチームの営業活動が可視化されることで、案件の受注確度や目標数値までのギャップなどが明確に把握できます。それらの情報はリアルタイムに確認できるため戦略を適宜見直すことができ、より効果的な営業活動を行えるでしょう。
さらに、営業活動の進捗を入力すると各営業担当のノウハウやナレッジも蓄積されていきます。これらを活用して勉強会や成功パターンの共有などを行うことで、組織全体の営業力の底上げにもつながるでしょう。
セキュリティ対策も万全
Salesforceのプラットフォームは多数の企業が相乗りしているため、セキュリティの優先度が高く設定されています。そのセキュリティ投資金額は年間で50億円以上。多額の投資によりセキュリティを担保しているのです。
Salesforce導入による成功事例
エステサロンや美容クリニックを対象とした信販事務代行、クレジットカード決済、集金代行といった事業を展開しているジェイ・シー・エスの事例を見ていきましょう。
株式会社ジェイ・シー・エス
課題
- 顧客への提案およびフォローアップを担当する営業部門と、営業部門をフォローする業務部門との情報共有ができていなかった
- 営業日報はExcelで管理され、顧客情報は各営業担当者がノートに記録していた
- 営業活動の進捗も可視化するのは難しい状況だった
対策と効果
Salesforceを導入し、課題に対して以下のような施策を実行していきました。
- 顧客情報をSalesforceに集約し、営業部門と業務部門での情報共有を徹底
- 営業活動の進捗をダッシュボードで可視化
- 社内SNS「Chatter」を使って社内連携を強化
これらの取り組みにより、課題だった情報共有の促進に成功し20%の業務効率化を達成しました。さらに、導入から年月が経ち蓄積された顧客データをもとに新しいビジネスを検討するなど、Salesforceが経営戦略に大きく活用されています。
事例詳細については、こちらをご覧ください。
中小企業こそSalesforceを有効活用しよう
今回は営業改革の主軸として注目される「Salesforce」について、機能概要や導入メリット、導入後の成功事例などをご紹介しました。
人材不足に悩む中小企業こそ、Salesforceのメリットを最大限に生かせる状況にあり、効果も実感しやすいといえます。自社に合ったプランで導入できるため、高いコストパフォーマンスを実現できるでしょう。
コネクシオはSalesforceのシルバーコンサルティングパートナーであり、企業におけるモバイルを活用した業務効率化のプロフェッショナルです。長年にわたるSalesforce活用実績を有するコネクシオは、『導入・活用・定着・管理』まですべてのフェーズを支援します。まずはお気軽にご相談ください。