SalesforceのSales Cloudとは? ライセンス選定のポイントを解説
社会のデジタル化が加速することで、従来型の属人的な営業手法では顧客対応に限界がきており、より効率的かつチーム前提でのセールス活動が求められています。

そのための仕組みとして注目されているのがSFAやCRMと呼ばれるツール群です。あなたの会社でも、何かしらのSFAもしくはCRMツールが導入されているのではないでしょうか?

今回は、CRM・SFAツールの中でも、世界最大のシェアを誇る「Sales Cloud」の概要や導入ポイントについてご紹介します。

目次

Sales Cloudとは

Sales Cloudとは

Sales Cloudとは、セールスフォース・ドットコムが提供するCRM・SFAツールです。まずはCRMとSFAについて、簡単にご説明します。

CRMとは

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報やリード(見込み顧客)管理のためのシステムのことを指します。日本語では「顧客関係管理」と呼ばれており、顧客とのコミュニケーション履歴や関係情報等を一元的に管理するために活用されています。

SFAとは

SFA(Sales Force Automation)とは、企業の営業活動における顧客関連情報を一元的に管理・分析するためのシステムのことを指します。日本語では「営業支援ツール/システム」などと呼ばれており、主に営業チームの生産性向上と、他チームとの情報連携のために活用されています。

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Sales Cloudの主な機能

Sales Cloudの主な機能

Sales Cloudにはさまざまな機能が実装されていますが、代表的なものとしては以下の4つが挙げられます。

顧客管理/リード管理

Sales Cloudの代表的な機能は、既存顧客やリード(見込み顧客)の管理にあると言えます。顧客に対する提案内容の履歴から、顧客企業の担当者情報、社内からのサポート履歴など、社内各所で行われた顧客に対するコミュニケーション情報を一元的に管理できます。

案件管理

Sales Cloudでは営業活動の効率化を目的に、案件単位での情報管理機能も提供されています。外回りの営業メンバーのみならず、関連するマーケティングチームやカスタマーサポートチーム、インサイドセールスチームなど、顧客対応にまつわるあらゆる部署のメンバーと案件の進捗等を共有し、必要に応じた社内協業を実現するプラットフォームとして機能します。

売上予測

Sales Cloudに入力された日々の案件進捗をもとに、チーム全体の売上予測をリアルタイムで確認することも可能です。担当者別、期間別、集計値別で売上予測を確認できるので、営業マネージャーのみならず、営業メンバー全員が目標売上に向けて日々のアクションを調整できる基盤が整っています。

レポート&ダッシュボード

Sales Cloudで管理しているデータや、外部連携によって引っ張ってきているデータについては、レポート&ダッシュボード機能で視覚的に表現することが可能です。レポート作成用のオープンAPIを活用し、データをインフォグラフィカルに表現することで、社内に営業活動状況をわかりやすく共有することが可能です。なお、ダッシュボードはドラッグ&ドロップ操作でシンプルにカスタマイズすることができるので、必要な分析機能をメンバー一人ひとりが用意することができます。

[参考URL]
https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/features/

Service Cloudとの違い

Service Cloudとの違い

同じSalesforce社が提供するツールに「Service Cloud」というものがあります。名称は似ていますが、Service Cloudがカスタマーサポートの強化・効率化を主目的とするツールであるのに対して、Sales Cloudはリードや案件管理などの営業支援が目的のツールになります。

いずれも中長期的な観点では社内のカスタマーサクセス体制の構築を志向するツールではありますが、実装されている機能の目的等は異なるので、注意してください。

なお、Service Cloudについては以下の記事も併せてご覧ください。

関連記事:SalesforceのService Cloud(サービスクラウド)とは?機能や特徴を解説!

Sales Cloudを導入するメリット

Sales Cloudを導入するメリット

続いて、企業がSales Cloudを導入するメリットを、5つの観点で解説します。

商談内容の可視化 / 属人化の防止

Sales Cloudで案件状況や顧客・リードの管理を行うことで、営業メンバー一人ひとりが持つ情報が一つのプラットフォーム上に集約され、一元管理されることになります。情報の属人的管理が解消されるので、業務の属人化の防止につながります。

トップ営業メンバーの知見・ノウハウの共有

業務の属人化解消が実現すると同時に、トップ営業メンバーが持つ知見やノウハウのナレッジ化も実現します。

繰り返しになりますが、Sales Cloudでは営業メンバー一人ひとりの営業活動が細かく記録されることになります。営業成績の良いメンバーや、顧客からの厚い信頼を得ているメンバーの優れたノウハウも文字等の記録として残ることになるので、他のメンバーはそれを参照して自身の営業スキルの向上に活かすことができます。

チームの生産性向上

トップ営業メンバーの知見・ノウハウが共有されると、他のチームメンバーはそれを学習して自身の営業活動の改善に役立てるので、結果として部門全体の営業スキルの向上が見込めます。

その結果、営業チームの生産性も向上することが期待できます。

成約件数の増大

営業チームの生産性が向上すると、営業活動のパフォーマンスも向上します。中長期的な成約件数は増大し、結果として売上の向上に寄与することになるでしょう。

リモートワークの促進

もう一つ、Sales Cloudの導入は企業のリモートワーク導入・運用も促進します。Sales Cloudはモバイルでの利用も前提に設計されており、データは全てクラウドで管理されていることから、特定のオフィス空間等の場所によらない就業にも十分対応できます。

Sales Cloudの価格体系(2023年10月26日時点)

Sales Cloudの価格体系(2022年11月1日時点)

Sales Cloudの料金体系は、「Starter」「Professional」「Enterprise」「Unlimited」の4段階に分かれて設定されています。Unlimitedに近づくにつれて、利用できる機能が増えることになります。

また、アドオンでの機能追加もあらかじめ用意されています。詳細は、以下のページで確認できるので、併せてご覧ください。

詳細:https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/pricing/

Sales Cloud導入のポイント

Sales Cloud導入のポイント

最後に、Sales Cloudの導入を成功させるためのポイントについてお伝えします。

何よりも先に、Sales Cloud導入の目的を明確にしましょう。「世界中で利用されているツールだから導入すれば売上向上に寄与するだろう」と漠然としたイメージだけで導入を進めてしまうと、結果として費用対効果が低くなってしまうでしょうし、逆に現場のオペレーションが煩雑になってしまう可能性もあります。

導入の目的が明確になったら、続いては適切なKPIを設定することが大切です。設定するKPIは、SMARTモデルで策定しましょう。SMARTとは、以下の用語の頭文字をつなげた造語で、KPIを設定する際に大切なポイントをまとめた考え方のモデルとなります。

● Specific(明確な)
● Measurable(測定可能な)
● Achievable(現実的な)
● Relevant(成果につながる)
● Time-bound(期限を定めた)

SMARTなKPIの設定が完了したら、ツールを導入する前に、適切な社内運用体制を確立する必要があります。適切なオンボーディングプログラムや、Sales Cloudの機能を前提にしたオペレーションフローの設計、そのために必要なスキルや経験を持った人員の配置など、Sales Cloudを“使い倒す”ための社内体制を構築していきましょう。

これらのポイントを確実に実施することで、先述したメリットを十分に享受し、中長期的なカスタマーサクセス体制の構築に寄与するでしょう。

営業部門のオペレーションで悩んでいる会社こそSales Cloud

営業は企業活動の基本です。営業組織が非効率な運用をしていると、会社全体が非効率なオペレーションで回ることになってしまいます。

営業部門の生産性やオペレーションの改善、リード管理等で悩んでいる会社は、Sales Cloudの導入を検討してみるべきでしょう。

なお、営業改革やBtoBビジネスにおけるマーケティング、インサイドセールス等の組織体制については、以下の記事も併せてご参照ください。

関連記事:Salesforceの4つの機能とは? 営業改革を実現するためSFAの基本知識
新しい営業の常識「インサイドセールス」とは?基本知識や役割、メリットを解説
BtoBマーケティングとは?よくある課題と基本的な手法を解説

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