DX推進の鍵となるITアウトソーシングとは?活用におけるメリットと注意点

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働き方改革、DX、コロナ禍での対応など企業の業務のデジタル化が加速度的に進んでいます。デジタル化やDX推進をする企業が徐々に増える一方で、デジタル人材や専門知識を有していないがために、そのスピードが鈍化する企業も増えています。

IT・デジタル人材の獲得競争は年々激化していることもあり、自社のDX推進をITアウトソーシングによって実行する企業も増えてきています。

この記事では、ITアウトソーシングの概要やメリット、デメリットについて解説します。

目次

ITアウトソーシングとは? DX推進に必要な背景

ITアウトソーシングとは、企業のITに関する業務を外部に委託することです。働き方改革や新型コロナウイルスの感染拡大などワークスタイルの変革が求められる現在、デジタル技術を活用して生産性向上や新しいイノベーションを創出するのは必須と言えます。 AI、IoT、AR・VR、データアナリストなど日進月歩のデジタル技術への対応やセキュリティを、企業それぞれの業態やカルチャーに合わせて導入、運用をしていくには専門的な知識が必要ですが、日本では企業がIT人材を獲得するのは非常にハードルが高くなっています。 つまりDXを内製で進めるのは難しい状況です。


人材の7割がIT企業に在籍し、東京に集中している

経済産業省の「我が国におけるIT人材の動向」によると、日本のIT人材の7割がIT関連企業に在籍しています。アメリカでのIT企業の在籍率34.6%、イギリスは46.1%、フランスは46.6%と比較しても高い水準です。[※1]

また同時にIT人材は都市部に集中しています。つまるところ東京のIT企業に人材が集中してしまっており、他の地域ではDX推進をする人材がより枯渇しています。


IT人材の報酬が高額になりつつある

新卒人材に年収1,000万以上を提示するなど優秀なデジタル人材には高額な報酬を提示する例が増えています。前述のレポートによると、現段階ではユーザー企業の待遇と大きな差が生まれていませんが、ブロックチェーン、AI、IoTの分野では高額な報酬が設定されており、今後ユーザー企業がIT人材を獲得・採用するのはより難しくなることが予想されます。

※1…経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」

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DX推進におけるITアウトソーシングのメリット

では、DX推進におけるITアウトソーシングを活用するメリットを解説します。


コストの削減ができる

企業規模や委託範囲にもよりますが、専門人材を獲得して内製するより、人件費を抑えることが可能になります。保守、運用やサポートなど自社のノンコア業務を社内対応するより、アウトソーシングをした方が費用対効果は高くなります。DX推進するにあたり、社内で対応する分野とアウトソーシングする分野を戦略的に分けることでスピードを増すことも可能です。

関連記事:TCOとは? 効率的なIT投資のポイントとなる指標について解説


最新のデジタル〜IT技術にも対応できる

デジタル〜IT技術は、非常に早く進化しており、前述した通り、スキルが高いIT人材の多くはIT企業に属しています。そのため、一般企業では最新技術やセキュリティ対応をしにくい状況となっています。専門性を有するITアウトソーシング企業に委託することで、素早くかつ柔軟に対応できます。


コア業務に集中できる

ITアウトソーシングを活用することで、ユーザー企業は本来のコア業務にリソースを集中できます。DX本来の目的は、デジタル技術を通して既存事業の顧客への体験を変容させたり、新規事業・イノベーションを創出することです。DX推進をする際は、プロジェクトマネジメントやロードマップは自社で行い、技術的な分野をアウトソーシングするなど、中長期の視点で検討するのが良いでしょう。

ITアウトソーシングの種類

ITアウトソーシングは委託範囲や内容によって、いくつかのサービスに大別できます。代表的なサービスを解説します。


情報システム部門の代行

ノートPCやスマートフォン、タブレットなど業務用デバイスの管理やキッティング、社内からのIT関連の問い合わせに対応するヘルプデスクなどを委託します。従業員が多い企業では、新卒人材の入社や新しいツール、ソリューションを導入するタイミングでは膨大な業務量になります。繁忙期の時限的な委託などでも活用できます。


システム運用の代行

社内に導入したシステムの運用を委託するサービス形態です。サーバーやOS、基幹システムなどインフラ周りの運用が中心ですが、DXが進むなか、多様なクラウドサービスやデータ基盤など自社では対応できない技術的な問題を解決するケースも増えています。


ホスティング

サーバー、回線などのIT機器を自社で保有していない場合に、必要機器をレンタルしながら保守・運用も委託する形態です。


ハウジング

サーバーや回線などの機器は自社で用意して、サービス事業者が持つデータセンターなどに間借りして設置して、保守・運用・監視を行う委託形態です。


フルアウトソーシング

必要なIT機器やシステム、関連する業務をすべてアウトソーシングするサービス形態です。IT関連業務を丸ごと委託できるので、情報システム部門を持たない企業などコア業務にリソースを集中させたいケースでは有効です。


マネージドサービス

ITインフラや必要なソフトウェアやソリューションなどを導入から保守・運用など一連の業務を委託するサービスです。フルアウトソーシングと似ていますが、以前まではサーバーやソフトウェアは企業が購入し、所有するものでした。しかし、クラウドサービスの普及によって、サーバーやネットワーク、システムもクラウド上で利用するものに変化してきました。マネージドサービスは、クラウド上のサーバーやソリューションを自社で所有することなく、サービスとして利用するのが大きな特徴です。

ITアウトソーシングのデメリットと注意点

続いて、ITアウトソーシングを活用する際のデメリットや注意点に触れます。


社内にノウハウやナレッジが蓄積しにくい

委託先の企業や委託範囲によっては、結果のみが報告・共有され、そのプロセスや経験などは一切共有されないこともあります。理想的なのは、社内人材をプロジェクトマネジメントなどに起用するなど、社内に経験が蓄積できる体制を構築できることです。


情報漏洩や機密情報の管理

企業の人事情報や基幹情報など機密情報を預けることもあるので、漏洩や不正利用などが起こりうるリスクは生じます。アウトソーシング先を選定するときの確認はもちろん、契約時にデータ利用や権限閲覧、責任範囲などの規約を必ず締結するようにしましょう。


費用対効果が合わない場合もある

ITの専門的な知見が必要なためアウトソーシングを検討するのですが、中長期での委託を検討する場合は、経営戦略やDXロードマップなどとしっかり照らし合わせ、費用対効果がマイナスにならないようにしましょう。そのため、信頼できるパートナー企業を見つけることが最も重要となります。

DX推進には適切なアウトソーシングと育成が重要

DX推進において、内製化ではなくアウトソーシングを活用するメリットや注意点を解説してきました。

アウトソーシング先や委託範囲を検討するにあたり、下記の3つの視点は重要となります。

  • 自社にノウハウがあるか、ないか
  • コア業務かノンコア業務か
  • デジタル化できるか、できないか
デジタル化は必ずやってくる未来ですので、アウトソーシングをしながらもデジタル〜IT人材は社内で育成していく視点も同時に必要です。
事業者はデジタル〜ITの専門知識を有していますが、それぞれの企業の強みや弱み、業界の常識やポジショニングなどは、自社の従業員の方が遥かに詳しく知っています。

そのためデジタルを活用して、自社の事業をどのように発展させていくか? というビジョンは必ず持っていくべきです。またそのプロジェクトは自社から抜擢することで、デジタル活用のノウハウが社内に蓄積されていくでしょう。

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