1,000社以上の働き方改革をコンサルティングする株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵)と、本人が自覚していないストレスを可視化するアプリ「ストレススキャン」と「ANBAI」を提供する株式会社DUMSCO(本社:東京都港区、代表取締役:西池成資)は、テレワークの会議過多による突然休職のリスクに関する調査を実施しました。
その結果、テレワークの推進で高ストレス者の割合は減少した一方で、週1日以上出社せずにテレワーク勤務するビジネスパーソンの約18%が高ストレス者で、その57%は人事や本人も察知できず、突然休職するリスクの高い「隠れテレワ負債者」であることが明らかになりました。
一方で、会議が連続する場合の5分休憩「会議間インターバル」と、終業時間と始業時間を11時間以上空ける「勤務間インターバル」を実施すると、隠れテレワ負債のリスクが低くなることも明らかになりました。
ヤフー株式会社が交通費を月額15万円まで支給し、日本国内であればどこに住むことも認める制度に4月から変更するなど、テレワーク推進の流れが加速する中で、より効果的にテレワークを活用するヒントを得るべく、テレワークによる1日の会議数と高ストレス者の割合に関する調査を実施しました。
その結果、テレワークの推進で高ストレス者の割合は減少した一方で(※1)、1日4件以上の会議参加を境に高ストレス者の割合が急増し、37%に達することが明らかになりました。
1日4件のテレワーク会議を境に、エース社員の突然休職リスク「隠れテレワ負債」急増
その高ストレス者の特徴を調査した結果、57%はアンケート式のストレスチェックでは高ストレス者と判定されないため自覚することなく、突然休職するリスクが高い「隠れテレワ負債者」で、隠れテレワ負債者の76%が年収800万円を超えるエース社員であることが明らかになりました。
エース社員を惑わす、アドレナリンの副作用
年収800万円を超えるエース社員に、自身が高ストレス者であることを自覚できない「隠れテレワ負債者」が多い理由を『メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本』(大和出版)などの著者で、秋葉原saveクリニック院長・鈴木裕介氏は、アドレナリンの存在を指摘します。
「人はストレスを感じると、そのストレス状態に対抗するためにアドレナリンなどの抗ストレスホルモンと言われるものが出て、活動性をあげるために血圧を上げたり血糖値を上げたりしてその状況にがんばって対抗しようとします。
その期間は、抗ストレスホルモンによってパフォーマンスが「ドーピング」されているような状態なんですが、パフォーマンス低下が実感できなかったり、むしろ上がっていたりするのでストレスがかかっていると実感することが難しいんです。
人間はストレスを頭で考えようとしますが、頭で考えていることと体が感じていることには、実はものすごく乖離があって、得てして体のほうが鋭敏であるということが多いんです。」
エース社員の突然休職リスク低減のカギを握る、「5分」と「7時間」
一方で、打ち合わせに次々とアサインされる中でも、突然休職のリスクを抱えていないエース社員も存在します。そうした低ストレス者と、突然休職のリスクを抱える隠れテレワ負債者の違いを分析した結果、会議が連続する場合の5分休憩「会議間インターバル」と、終業時間と始業時間を11時間以上空けることで、7時間以上の睡眠時間を確保する「勤務間インターバル」を実施しているか否かで、大きな乖離があることが明らかになりました。
「意識はしているが、実践できない」2つのインターバル
エース社員の突然休職対策として有効性が示された、会議間インターバルと勤務間インターバルですが「意識はしているが、実践できない」層が多く、会議間インターバルでは27%、勤務間インターバルでは36%が該当することが明らかになりました。
そうした課題が浮き彫りになる中で、2006年の創業当初より自社でもテレワークに取り組み、1,000社以上の働き方改革をコンサルティングする株式会社ワーク・ライフバランスは、2つの「仕組み化」によって「意識はしているが、実践できない」問題を解決してきました。
ワーク・ライフバランスの会議が「45分」の理由
「会議間インターバル」の仕組み化として、ワーク・ライフバランス社が実践しているのが、45分会議です。
会議時間の基本を60分と設定する企業が多いなか、45分とすることで、次の会議が始まるまでの15分間の活用の幅が広がります。たとえば、前の会議の振り返りや発生したタスクの指示を出すこと、次の会議の準備などはもちろんのこと、頭の整理のために意識的な休憩をはさむことも可能になります。
また会議時間の基本を30分とすると、30分会議が絶え間なく連なる恐れが新たに発生するため、適切な休息などをはさむことが難しく、むしろ逆効果だとワーク・ライフバランスでは考えています。
また「勤務間インターバル」の仕組み化として、ワーク・ライフバランスが実践しているのが、提供する時間の使い方や業務の進捗を“見える化”できる IT ツール 「朝メール .com (アサメールドットコム) 」の「勤務間インターバル機能」の活用です。
同機能は、インターバルの時間を設定すると、予定入力画面にグレー網掛けの形で表示され、翌日の業務開始時にインターバル終了時間を意識させる機能で、働きすぎ防止に活用されています。
働く時間や場所が多様化する中で、各自の睡眠が適切に取れているのかをマネジメントが把握する手段としても、こうした勤務間インターバルを見える化する勤怠管理を取り入れていくことは重要なポイントです。
■調査概要
調査方法:インターネットアンケート調査
調査期間:2022年2月10日~2022年2月17日
調査対象者:週1日以上オフィス出社せず勤務する、全国22歳以上のビジネスパーソン
回答者数:367人
■鈴木裕介氏プロフィール
内科医として高知県内の病院に勤務後、一般社団法人高知医療再生機構にて医療広報や若手医療職のメンタルヘルス支援などに従事。
2018年「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとした秋葉原saveクリニックを開業、院長に就任。また、研修医時代の近親者の自死をきっかけとし、ライフワークとしてメンタルヘルスに取り組み、産業医活動や講演、SNSでの情報発信を積極的に行っている。
著書に『メンタル・クエスト』(大和出版)『NOを言える人になる』(アスコム)など
(※1)テレワークの推進で高ストレス者の割合は減少
2021年7月にテレワーク勤務の有無に関わらず、全国のビジネスパーソンを対象にした調査では、高ストレス者は37%だったのに対して、今回の週1日以上出社せずにテレワーク勤務するビジネスパーソンを対象にした調査では、18%に留まっています
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000045932.html
出典元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000045932.html