SalesforceのService Cloud(サービスクラウド)とは?機能や特徴を解説!
今回は、カスタマーサポートのための機能を提供しているSalesforce社の「Service Cloud」について解説します。
Service Cloudにはさまざまな機能が実装されていますが、代表的なものとして以下の5つがあげられます。
Service Cloudでは、顧客とのコミュニケーションにおけるさまざまなケースを想定した管理機能が実装されています。
たとえば、自社の顧客との接点となるあらゆるチャネル(メール・電話・チャット等)で行われた顧客との全コミュニケーション履歴が時系列で見やすい形で表示されるため、サポート担当がスムーズに対応できるように工夫されています。
またメール対応については、よく使う文面をパターン別に応じてテンプレート保管することも可能なため、返信工数を大幅に削減することも可能です。
さらに、後述する独自のAIがケース管理画面にも実装されていることから、ケースに合わせて迅速に対応できるメンバーをアサインする仕組みも搭載されています。
Service Cloud利用者は、他メンバーの対応ナレッジをクラウド画面から簡単にチェックできるため、経験のない対応事項であっても迅速に解決に向けたサポートを提供します。
また、ナレッジ画面を顧客向けにカスタマイズして公開することもでき、顧客としては解決したいことを自分で探すことも可能となります。
先述のとおり、カスタマーサポートのチャネルは一つとは限らず、電話やメール、チャット、ビデオ通話など、多様なチャネルでの対応が求められる可能性があります。
Service Cloudではそのようなケースを想定して、これまで蓄積されたケースや顧客のリード状況によって最適な対応者へと振り分ける仕組みが搭載されています。よってカスタマーサポートのマネージャーは、対応者のスキルセットや稼働状況、および処理能力等に応じて柔軟に問い合わせ対応を振り分けられるようになっています。
Service Cloudには、「Einstein」と呼ばれるAIが実装されています。先述したオムニチャネルルーティングでは、まさにEinsteinが自動で担当者を振り分ける役割を担っています。
また、一般的なビジネスルールとAIの学習に基づく予測モデルを組み合わせて、顧客に「解決のためのレコメンド」を提案することも可能となっています。たとえば顧客に対するチャットボット対応においては、Einsteinが半自律的に対応をするように設定できます。
さらに、Einsteinは電話応対にも対応しています。担当者は、Einsteinの対応記録を文字起こしや自動レコメンデーションによって確認できるので、平均対応時間をより短く効率的に行えます。
このように、カスタマーサポート業務を支援するためのAIが実装されている点が、Service Cloudの大きな特徴の一つとなります。
次に、企業がService Cloudを導入するメリットを、4つの観点で解説します。
Service Cloudを活用すると、顧客対応スピードが向上します。先述のとおり、ケース管理機能によってチャネルの種類によらず情報が一元管理されることになり、またカスタマーサポート業務の各場面においてAIがレコメンド等をしてくれるため、迅速に顧客へと解決策を提示できるようになります。
迅速な課題解決が実現すると、顧客満足度も向上します。特にService Cloudを導入すると、チャットボットやFAQなどの設置によって24時間365日体制での問い合わせ対応が可能となるため、顧客としては待つ時間が大幅に削減され、課題解決も迅速に進むようになります。
カスタマーサポート対応者としても、オペレーションの効率化につながるので、従業員満足度は向上します。併せて、顧客満足度の向上に起因して顧客からのポジティブなフィードバックも増えることが期待されるため、従業員満足度はさらに向上して対応のクオリティがますます向上するという、正のサイクルが創出されるようになります。
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情報を一元管理して顧客と向き合うことができるようになるため、顧客の成功に向けた社内のカスタマーサクセス体制の実現にも寄与します。もちろん、Service Cloudを導入するだけではカスタマーサクセス体制を確立できるわけではありませんが、少なくとも体制確立に向けた基盤が整うことが期待できます。
最後に、Service Cloudの導入を成功させるためのポイントについてお伝えします。
まずは導入する目的を明確にしましょう。
Service Cloudは、カスタマーサポート業務を効率化させて生産性の向上を目指すためのツールです。カスタマーサポート業務におけるどのような課題を解消し、どんな問題を解決しようとしているのかを明確にした上で、導入を進めることが大切です。
この点がブレてしまっていると、後述するKPIの設定もピントがぼやけたものになってしまい、ツール導入の効果の有無が不明瞭になってしまいます。
導入の目的が明確になったら、次はSMARTなKPIを設定します。SMARTとは、以下の用語の頭文字をつなげた造語で、KPIを設定する際に大切なポイントをまとめた考え方です。
Specific(明確な)
Measurable(測定可能な)
Achievable(現実的な)
Relevant(成果につながる)
Time-bound(期限を定めた)
つまり、明確な期限のもとで具体的で定量的に測定可能、かつ現実的で成果につながるようなKPIを設定して、Service Cloud導入の効果測定を進める基盤を整えましょう。
KPI設定が完了したら、運用できる社内体制を構築します。ツールを導入しても、うまく活用できなければ意味がありません。適切なオンボーディングプログラムや、Service Cloudの機能を前提にしたオペレーションフローの設計、そのために必要なスキルや経験を持った人員の配置など、適切な運用体制の確立を目指しましょう。
繰り返しになりますが、Service Cloudを導入する際は「目的の明確化」「SMARTなKPIの設置」「適切な運用体制の確立」が大切です。特にSalesforceには多様なツールやサービスが存在するからこそ、「Service Cloudを導入することで自社が抱える問題を解決できるのか」を改めて確認することが大切です。
その上で、顧客対応に関する課題や顧客満足度/従業員満足度に課題を感じ、カスタマーサクセスの仕組み化が難航している会社は、ぜひService Cloudの導入を検討してみるべきでしょう。
なお、SalesforceのSFAシステムについては以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
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