【Android Enterprise とは?】概要やできることを徹底解説!
組織で Android端末を管理する際に利用されるのが Android Enterpriseです。
本記事では、Android Enterprise の概要やMDMとの連携方法、セットアップ方法について解説します。
Android Enterprise (旧称:Android for Work)とは、Androidデバイスへの設定や制御を可能とした、Googleが提供する無償の法人向けのモバイル端末管理プログラムです。
iOSの監視モードに似たような仕組みで、単独では利用できず MDM(モバイルデバイス管理)ツールと連携して利用することで効率的なデバイス管理が実現できます。
関連記事:【MDM(モバイルデバイス管理)とは?】できることや導入メリットをわかりやすく解説!
Android 10以降のデバイスで MDM/EMM(エンタープライズモビリティ管理)を利用する時には必須化されたこともあり、エンタープライズ向けのデバイスはほぼ対応しています。
Android Enterprise が登場するまではメーカーや機種、適用するMDMによって実現できる制限が異なる問題や採用できるデバイスが限られる問題がありました。
しかし現在では Android Enterpriseを利用することで、機種による機能の差分はほとんど発生せず統一したセキュリティポリシーでの管理運用が可能になりました。
Android Enterprise を利用するためにはその用途に応じて4つのモードの中からいずれかを設定します。
管理方式によっては、個人所有のデバイスを利用するBYOD(Bring Your Own Device)を可能とすることもできます。
すでにデバイスを導入済みの場合は、一部のモードを利用する際に、初期化が必要となりますので、注意が必要です。
それぞれのモードについて説明します。
Full device managementモードは、会社所有のデバイスを業務使用でのみ利用するのに適しており、日本国内で最も利用が多いモードです。
デバイス全体を企業で管理できるためデバイスに対しての設定・操作が可能になります。例えば下記のような設定、操作が可能です。
利用にはデバイスの初期化が必要です。
Work Profilesモードは、個人所有のデバイスを業務に使用する際に利用する、主にBYOD向けのモードです。
例えば下記のような機能が利用できます。
利用に際しデバイスの初期化は不要です。
アプリアイコンの右下にカバンマークがついているのが仕事用アプリです。
引用元: https://www.android.com/intl/ja_jp/enterprise/work-profile/
Fully Managed Device with a Work Profileモードは、会社所有のデバイスを、業務だけではなく、個人利用も可能にする際に適しています。
全ての利用端末を企業の監視下において、個人領域と仕事領域に分けて管理できますが、利用する企業が少ないモードです。
利用には初期化が必要です。
なお Android11 以降は後継として Work Profile on Company Owned Device が登場し、個人領域でインストールしたアプリの一覧が企業側で収集できなくなることなど、従業員のプライバシーの観点での懸念が解消されています。
Dedicated device management は、Full device management の機能を拡張し特定業務での使用を目的とした専用デバイス向けのモードです。
飲食店の注文用タブレットや、運送や流通で利用するバーコードリーダー、タクシーの車載タブレットなど単一のアプリのみ利用するケースに適しています。キオスク端末と呼ばれることもあります。
利用には初期化が必要です。
Google社が Android Enterprise をより安定的に提供できる要件を満たしたデバイス、サービスを認定する仕組みです。
この認定を受けている端末やサービスの利用が推奨されています。
デバイスおよびそのメーカーには、機能の最小要件に加えてセキュリティ/メジャーアップデート体制などが求められています。
MDM製品およびその開発企業に対しても高度な機能のほか、開発企業の人財確保(認定資格保有者)やサポート体制も求められています。
(参考 詳細要件:Android – Android Enterprise Recommended の要件)
認定デバイスや認定サービスには下記の認定ロゴがつきます。
認定デバイスや認定サービスの検索は、メーカーWebサイトの他に下記サイトもお役立てください。
Android Business Device Solutions Directory - Android Enterprise - Devices
Android Business Device Solutions Directory - Android Enterprise - EMMs
なお、Android Enterprise Recommended 認定を受けていないデバイス・MDM でも、Android Enterprise に対応している場合があります。
主要メーカーの機種はほとんど対応していますが、まれに対応していない機種もありますのでメーカーサイトや調達先に確認ください。
「Android Enterprise とは」 セクションでも記述しましたが、単独では利用できないため Android Enterprise に対応した MDM/EMM の契約が必要です。
下記2種類の方式があります。1つ目の Google Playアカウント方式をご利用されるお客様が多いです。
Android Enterprise 用のアカウントを利用してデバイス管理する場合に利用する方式です。
登録手順が容易であるため推奨されています。無料のGoogleアカウントを作成しておきます。
なお、1度でも別のMDM環境にAndroid Enterpriseをセットアップして紐づけている場合は、別のGoogleアカウントの取得が必要になります。
Google Workspace のアカウントを利用する場合に使用します。
登録手順が Google Play アカウントに比べ複雑です。また、利用できるモードが限定されます。
managed Google Play アカウント | 管理対象 Google アカウント | |
---|---|---|
Full device managementモード(完全デバイス管理) | 〇 | 〇 |
Fully Managed Device with a Work Profile (Work Profile on Company Owned Device)モード |
〇 |
× |
Dedicated device managementモード(専用デバイス管理) | 〇 | × |
Work Profiles モード | 〇 | 〇 |
Google Play アカウント方式を例にご紹介します。
Android Enterprise申込サイトでの手順は下記です。
モードに応じてセットアップ方法が異なりますが、大きく2つに大別されます。
下記のモードはようこそ画面から始めますので初期化状態である必要があります。
3つのうちどのモードにするかはセットアップ途中に選択する製品、MDM側で予め設定しておく製品、またはその両方を必要とする製品がありますのでご利用のMDM製品マニュアルをご確認ください。
QRコード、EMMトークン、NFC(近距離無線通信)、ゼロタッチの4種から選択可能です。
QRコードまたはEMMトークンの利用が多い傾向にありますが今後はゼロタッチが主流になってくるかもしれません。
下記のモードはホーム画面から始めます。初期化の必要性はありません。
MDMのエージェントアプリをインストールしそのアプリからセットアップしていきます。
Android Enterpriseの4つのモード、MDMとの連携方法、セットアップ方法についてご紹介しました。
Android EnterpriseはMDMでのAndroidデバイス管理には必須となっています。
ご利用形態に応じた MDM設定、モード選択の一助になれば幸いです。
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