業務を抜本から改革する「BPR」とは?ポイントや国内事例も解説

Business Process Reengineering


目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2.BPRとは?
    1. 2.1.BPRとは?
    2. 2.2.BPRと業務改善の違い
    3. 2.3.BPRを推進するメリット
  3. 3.BPRを進める方法
    1. 3.1.方法①ERPの導入
    2. 3.2.方法②業務プロセス可視化・構築
    3. 3.3.目的に合ったBPRが大切
  4. 4.BPRの国内成功事例
    1. 4.1.日鉄ケミカル&マテリアル
  5. 5.BPR実践のポイント
    1. 5.1.小さい範囲から進める
    2. 5.2.実践する業務プロセスは慎重に選ぶ
    3. 5.3.情報共有をきちんと行う
    4. 5.4.PDCAサイクルを回して分析
  6. 6.自社に合ったBPRを推進しよう


はじめに

現在、様々な企業で業務の見直しが迫られています。数年前より政府から号令が出た「働き方改革」の流れに加え、2020年のコロナ禍にともなうテレワーク等の推進によって、オフィスを軸にした業務設計ではうまく回らなくなっている現状があるためです。

そのなかで注目が高まっているのがBPR。本記事ではBPRについて、定義や推進するメリットと方法、実際に進めるうえでのポイントを、具体事例を交えてご紹介します。業務改善とは違う概念なので、あわせて理解しましょう。


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BPRとは?

BPR


まずはBPRの定義やメリットについて見ていきましょう。


BPRとは?

BPRとは「Business Process Re-engineering」の略で、企業の様々な業務プロセスを抜本的に改革していくアプローチのことを指します。本来必要な業務は何か、という観点に基づいて既存の業務や組織全体を分析し、業務プロセスを可視化したうえで、業務フローからシステムまでをトータルでリデザインします。

この考え方は、1993年にMichael HammerとJames Champyの両名によって共著された『リエンジニアリング革命: 企業を根本から変える業務革新』(日本経済新聞出版)によって一躍有名になりました。


BPRと業務改善の違い

BPRは業務改善と混同されやすい概念ですが、両社は似て非なるものです。業務改善は「業務の効率化」を軸にした改善施策で、部分的な改善を意味します。

一方、BPRは業務の必要性から逆算して考え、プロセスそのものを丸ごと再構築するような業務改革を進めていくものです。


BPRを推進するメリット

BPRを推進することで、企業は以下のメリットを享受できます。

  • 必要な組織改革が分かる
  • 顧客と従業員両者の満足度上昇が期待できる
  • 目標達成率が上がる


BPRを進める方法

ERP


次に、具体的にBPRを進める方法について見ていきましょう。大きくは2つです。


方法①ERPの導入

日本企業の多くが実践しているのが、ERPの導入です。ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語では「統合基幹業務システム」と訳されます。

企業にはヒト・モノ・カネ・情報という様々なリソースが存在しており、各資源を事業内容や部署に応じて適切に分配することで、生産性を高めて商材等をアウトプットしています。

具体的には、経理部門による財務会計や、生産部門による生産管理、人事部門による給与・労務管理、そして営業部門における販売管理などが挙げられます。

ERPは、このような企業の基幹業務をシステム的に統合管理し、各資源を有機的に管理できる仕組みを提供してくれます。ERPの導入が、BPRの進め方として最もスタンダードであるといえるでしょう。なお、ERPは主に事業が複数部門存在する大企業向きであると考えられています。


方法②業務プロセス可視化・構築

業務プロセスを可視化して問題点を洗い出し、再構築するというアプローチもあります。こちらはERPと違ってシステムの導入に限らないものです。

業務プロセスを可視化する際には、様々なフレームワークを使うと良いでしょう。たとえば業務プロセスフローを簡略的に図式化する「BPMN(Business Process Modeling Notation)」。既存業務が標準化した流れで表現されるので、誰が見てもわかるようになるメリットがあります。

また業務フローの順番にフォーカスした「バリューチェーン分析」や、業務の振り返りにフォーカスする「KPT」といった手法を使っても良いでしょう。いずれにしても、自社の業務状況の適切な理解が、最も大切なポイントになります。


目的に合ったBPRが大切

以上のように、BPRを進めるといっても、そのアプローチは細かく何通りにも分かれます。前述の通り、多くの日本の大企業が行っているのはERPを自社仕様にある程度カスタマイズして導入する方法となりますが、これだけが正解というわけではありません。

自社の状況を適切に見極め、それぞれにあった業務改革を行うことが大切です。


BPRの国内成功事例

BUSINESS PROCESS REDESIGN


それでは、実際にBPRを進めた成功事例を見ていきましょう。


日鉄ケミカル&マテリアル

日本製鉄グループの化学・素材メーカーである日鉄ケミカル&マテリアル。ここでは多くのグループ会社や事業部門を管理する統一のシステム基盤が整備されておらず、Excelで属人的な管理を行ったり、グループ会社間や部門間の情報連携が非効率であったりと様々な課題を抱えていました。

そこで同社は、業務面とシステム面の両面で10年後のグループのあるべき姿を策定し、その一環としてシステムの再構築プロジェクトを実施しました。その際の基本方針は、「競争力ある業務環境の提供を目指し、情報と業務を繋げ、業務を高速化・可視化する」ことです。

プロジェクトをすすめるため、同社はグローバル対応ERP×SCMパッケージを導入。システム導入によって、同社ではデータの一元管理による情報の可視化と共有化、リアルタイム化が実現し、素早い経営判断が可能となりました。

また、属人化業務を排除して業務の標準化と内部統制の促進を進めることができ、さらには品質管理機能や対応力の強化にもつながっています。

参考:https://www.canon-its.co.jp/case/detail/mcframe_01.html


BPR実践のポイント

PDCA


BPRを実践して成功させるためのポイントを見ていきます。


小さい範囲から進める

業務改革は、早く進めたいがあまりいきなり全社導入など大きな単位で始めがちです。しかしまずは、運用面やコスト面を考えて部門ごとなどスモールスタートしてみるのが良いでしょう。部門で問題なく運用できていれば、少しずつ対象部門を増やしていくというアプローチがおすすめです。


実践する業務プロセスは慎重に選ぶ

次に、実践する業務プロセスは慎重に選ぶようにしましょう。とくに、難易度を確認したうえで、着手すべき優先順位を鑑みて進めましょう。

極端な例として、優先順位はさほど高くないものの難易度が高いプロジェクトを一部分ですすめ、失敗してプロジェクトチームのモチベーションが下がってしまい、結果として全体のBPRが滞ってしまっては本末転倒です。自社のリソース状況を見極めて、実践する業務プロセスは慎重に選びましょう。


情報共有をきちんと行う

BPRの効果を最大化するためには、情報共有の徹底が必要不可欠です。現在のプロジェクト状況はどのような位置付けで、実践した業務プロセスはどのような効果を発揮しているのか。現場とプロジェクトチームのシームレスな情報共有が必要不可欠だといえます。


PDCAサイクルを回して分析

最後は、プロジェクト全体でのPDCAサイクルの実施です。BPRは一つのプロジェクトが終了したら、それで終わりではありません。改善を続けることで、継続的な業績アップにつながり、企業間での競争力も向上していくことになります。

しっかりとPDCAを回していく意識をもち、そのためのチーム体制を構築することが必要です。


自社に合ったBPRを推進しよう

今回はBPRの定義や推進するメリットと方法、実際に進めるうえでのポイントを、具体事例を交えて解説しました。今回ご紹介したもの以外にも、成功事例はたくさんありますが、いずれにも共通していることが、目的を明確化させて実践しているということです。

まずは目的を明確化させ、現場含めた状況がしっかりと把握できた上で、自社に合ったBRPを推進すべきです。そのためにも、業種業態の近しい他社事例を参照するの重要でしょう。

コネクシオでは、自社の業務プロセスを改善したい企業様へ、モバイルを活用したソリューションを中心に様々なツールをご提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。


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コネクシオ株式会社が運営する「Mobile WorkPlace ONLINE」の編集部。 法人携帯に関するお役立ち情報を発信していきます。

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