はじめに
コネクシオ株式会社の自社における導入事例をご紹介します。
弊社はLINE WORKSの提供開始と同年の2016年にLINE WORKSを導入。2022年1月に本社を移転する際に内線電話を廃止し、LINE WORKSの通話機能に切り替えることで、年間約1,350万円の電話代を削減しています。
さらに、内定者との連絡にもLINE WORKSを活用することで、内定辞退防止に成果を上げるなど、LINE WORKSを全社的に活用する取り組みを進めています。
この導入事例では、弊社の情報システム部と人事総務部門のみなさんに具体的な活用について伺いました。
サマリ
- メールのウイルス感染対策として、LINE WORKSの外部トーク連携によるやり取りを解放
- 約1年に亘る内定者フォローに活用し、内定辞退防止や入社準備の効率化を実現
- セコム安否確認サービスやWevoxをLINE WORKSと連携させ、総務業務を効率化
財経企画DX部門 情報システム部 情報インフラ課
齋藤 雄希さん(右)
人事総務部門 社員活躍推進部 総務課 グループリーダー 総務機能 BCP防災 エンゲージメント
長田(おさだ)洋一さん (右中)
人事総務部門 人事部 東日本人事課 グループリーダー
大なぎ 武史さん(左)
※所属や役職は取材を実施した2023年4月当時のものです。
インタビュー
LINE WORKS活用による社内の変化
ーーーLINE WORKS導入から約7年が経過しましたが、活用における変化について教えてください。
斎藤:
大きな変化として、取引先との外部トーク連携における申請許可制を廃止しました。今は申請しなくても取引先とLINE WORKSでつながれるようになりました。この変更は、セキュリティリスク対策を目的としています。メールに添付されたZIPファイルから感染するウイルス「Emotet(エモテット)」の問題が継続しており、不審なメールも確認されています。そのため、メールでのやり取りを減らす必要性を感じていましたが、外部の企業とのやり取りはメールが主流でした。
そこで、添付メール文化を変えつつ、LINE WORKSを使用している取引先との安全なやり取りを促進するため、自由にLINE WORKSでつながってもよいというルールに変更しました。
ーーーそのほか、LINE WORKS利用に関して全社的な変化はありましたか。
斎藤:
全社の電話帳としてもLINE WORKSのアドレス帳を使うようになりました。背景には、ほぼ全社員がLINE WORKSを利用していることがあります。LINE WORKSのアドレス帳は、組織階層化されたツリー構造になっており、キーワード検索はもちろん部署から順に辿ることもでき、該当者の連絡先を簡単にみつけることができる利点があります。
人事部における活用方法
内定者フォローにLINE WORKSを活用することで、スムーズなやり取りが可能に。
ーーー人事部におけるLINE WORKSの活用方法について教えてください。
大なぎ:
私たちは採用における内定者フォローにLINE WORKSを活用しています。以前は、電話やメール、採用管理システムなどを使い分けて内定者との連絡を取っていましたが、手間がかかっていました。また、入社前の研修に関する作業は、内定者だけのグループ内でメールアドレスを交換し進めるようにお願いしていましたが、人事部自身がそのグループに参加していなかったため、作業の進捗状況を把握することができませんでした。
しかし、LINE WORKSを通じて内定者とつながることで、連絡がスムーズになりました。また、研修に関する内定者同士のやり取りを人事部が必要に応じて見守ることもできるようになりました。具体的には、研修の日程連絡やデータ配布など主に連絡ツールとして活用しています。また、オンライン研修ではビデオ通話も利用しています。
LINE WORKSを活用した内定者フォローは、内定辞退を防ぐ効果があると考えています。昨今の新卒採用では、早い段階で内定を出すケースがあり、約1年前の3〜4月に内定を承諾いただくこともあります。つまり、企業側としては最長で約1年間、内定者が卒業するまでの間、関係性を維持することになります。LINE WORKSを利用してからは、内定者はメールや電話よりも気軽に採用担当者へ相談や質問ができることから、私たちは内定者の不安を広範にサポートすることができます。実際に、昨年の採用活動において内定辞退者は、わずか1名にとどまりました。
新入社員へ手渡す書類が1/5程度に!ペーパーレス化を促進。
ーーー内定者とLINE WORKSでやり取りするにあたり、工夫している点は何でしょうか。
大なぎ:
私たちは管理機能にあるモニタリング機能を使用しています。20個程度のネガティブなキーワード(「辞める」「体調が悪い」など)を設定し、トーク上でこれらのキーワードが検出された場合には、管理者にメールで通知される仕組みです。ただし、内定者にはあらかじめ会社側ではログを確認できることを伝えているため、現時点ではネガティブなやり取りは発生していません。
LINE WORKS管理機能の「モニタリング」では、送信されたトークを対象にポリシーを作成し、条件に該当するトークをモニタリングすることができる(添付はデモ画像)
また、これまで紙書類で郵送していた入社手続きに関連する書類は、LINE WORKS上で内定者に共有しています。これにより、封入や送付作業が不要になるだけでなく、新入社員に手渡す書類も約1/5程度に減らすことができペーパーレス化を進めることができています。内定者としても、スマホでデータをすぐに確認できるので、紙の書類よりも便利であると喜ばれています。
内定者+人事のグループはエリア別に分かれており、研修の日程連絡やデータ配布を行うほか、質問などを受け付けるなど、入社までのフォローとして活用
情報システム部における活用方法
チャットBotによる自動回答を実施。電話問い合わせが減少。
ーーー情報システム部におけるLINE WORKSの活用方法について教えてください。
齋藤:
私たちは「DialogPlay」というチャットBot作成プラットフォームを使用して、チャットBotを構築し、これをLINE WORKSから使えるようにしました。このチャットBotは、経理処理に関する質問や管理部門・人事部への問い合わせに自動で回答することができます。チャットBotの導入により、情報システム部への電話問い合わせが減少しました。
チャットBotによる自動回答で省力化につなげている
内線電話をLINE WORKSに置き換えることで、年間で約1,350万円の電話代を節約。
ーーー印象的なLINE WORKSの導入効果は何でしょうか?
齋藤:
本社移転の際に、内線電話を完全にLINE WORKSに置き換えました。年間の電話代は1つの拠点で約4万5,000円でしたが、約300の直営店舗を対象にすると、年間で約1,350万円の削減になりました。
さらに、固定電話回線の数には制限がありますが、ほぼ全社員の携帯電話にはLINE WORKSがインストールされています。LINE WORKSに切り替えたことで、電話回線の混雑による通話不可のリスクがほとんどなくなり、つながらない場合でも、トークで「あとでかけ直します」と簡単に伝えることができるため、利便性も向上しました。
社員活躍推進部における活用方法
安否確認や社内エンゲージメント調査においてもLINE WORKSを活用。
ーーー人事総務部門 社員活躍推進部でもBotを活用して、安否確認やエンゲージメント調査を行っているのですね。
長田:
BCP(事業継続計画)の一環として、LINE WORKSとセコム安否確認サービスを連携させました。災害時にはLINE WORKS上で「今、無事ですか?」「営業継続できますか?」などの安否確認通知をBotで対象エリアの社員に自動で送り、会社の被災状況を即座に確認できる仕組みを整えました。
対象エリアの社員に安否確認の通知がBotで自動で届き、回答も簡単に行える
長田:
エンゲージメント調査の際には、組織力向上プラットフォーム「Wevox(ウィボックス)」の回答をLINE WORKSと連携させて回答・集計しています。以前は、メールのリンクから入力画面に移動して回答を受け取っていましたが、LINE WORKSから直接回答できるようにした結果、より短い期間で社員のほぼ100%から回答を得ることができるようになりました。
未回答者にはリマインドを送ることで、回答率が飛躍的に向上
LINE WORKSを使用すれば、スマホから手軽に回答できるためハードルが低くなったのでしょう。回答率の向上により、より詳細かつ正確な分析が可能になったと感じています。
今後の展望
約7年間のLINE WORKS利用経験を活かして、さらなる生産性の向上を目指す。
ーーー今後、LINE WORKSをどのように展開していきたいですか。
大なぎ:
全社的には、約7年間にわたる利用経験から、LINE WORKSの活用によるコミュニケーションの促進と業務効率化の効果が非常に高く、今後もさらに生産性を向上させることができると感じています。多くのコミュニケーションツールが存在する中で、特に弊社のように従業員数が多く、多様な職種の人々が集まる企業では、ツールの使いやすさが重要です。その点でLINE WORKSは必要不可欠なツールになっています。
※掲載している内容、所属や役職は取材を実施した2023年4月当時のものです。