株式会社マネーフォワードは、一般社団法人日本CFO協会の協力のもと、日本CFO協会会員の企業を対象に、「インボイス制度・電子帳簿保存法に関するアンケート調査」を実施しました。
「インボイス制度・電子帳簿保存法に関するアンケート調査」を実施
調査結果トピックス
・9割以上の企業がインボイス制度を知っているが、明確な対応方針が決まっている企業は約半数にとどまる
・7割以上の企業が、インボイス制度への対応準備に「6ヶ月以上かかる」
・大変だと思うことの1位は「紙と電子の混在」
・取引先が適格請求書発行事業者ではない場合の対応は、5割以上が「未定」
<請求書の管理について>
・請求書の8割以上を電子で受領している企業は8.8%にとどまる
・7割の企業が電子請求書の割合を増やしたい意向
<電子帳簿保存法に関して>
・電子取引のため、6割以上の企業がクラウドサービスの導入を検討
・電子帳簿保存法への対応で大変だと思うことの1位は「要件に対応する業務フローの変更」
<インボイス制度に関して>
9割以上の企業がインボイス制度を知っているが、明確な対応方針が決まっている企業は半数にとどまる
法人事業会社を対象とした「インボイス制度について知っていますか」という質問に対して、「知っている」が69.0%、「少し知っている」が26.8%、「あまり知らない」が3.8%という結果になりました。インボイス制度を知っている企業は、「知っている」と「少し知っている」を合わせて90%以上にのぼります。
「インボイス制度への対応は行っていますか(行いましたか)」という質問に対しては、「行っている(行った)」が31.5%、「少し行っている(行った)」が45.7%、「あまり行っていない」が16.2%、「行っていない」が6.7%となりました。「行っている(行った)」と「少し行っている(行った)」と回答した、対応を行っている企業は約77%でした。
インボイス制度の適格請求書受領や送付に伴う保存要件への対応については、「特に何もしない(既に保存要件を満たす仕組みがある、ないしは要件を満たすSaaSを利用している)」が10.8%、「既に対応を始めている(対応を終えている)」が19.7%、「対応する必要性を感じていて、明確な方針が決まっている」が15.9%、「対応する必要性は感じているが、まだ明確な対応方針が決まっていない」が53.6%と、約半数が必要性を感じながらも対応に踏み切れていないことが明らかになりました。
「明確な方針が決まっている」あるいは「既に対応を始めている」企業の具体的な対応方法としては、「自社内の仕組みで対応する」が53.8%、「クラウドサービス(SaaS)を導入する」が29.6%、「手作業で対応するための準備をしている」が7.5%と、手作業での対応ではなく、自社システムやクラウドサービス等を活用して対応するケースが多いことがわかりました。
7割以上の企業が、インボイス制度への対応準備に「6ヶ月以上かかる」
インボイス制度への対応準備にかかる想定期間は、「1年以上」が26.1%、「6ヶ月以上〜1年未満」が51.4%、「3ヶ月〜6ヶ月程度」が14.6%、「1ヶ月~3ヶ月程度」が6.3%、「1ヶ月未満」が1.6%という結果になりました。7割以上の企業が6ヶ月以上かかると想定しており、2023年10月のインボイス制度施行に向け、2023年春頃までに対応準備を開始する企業が多いことが予測されます。
大変だと思うことの1位は「紙と電子の混在」
インボイス制度への対応について、「大変だと思う」または「少し大変だと思う」と回答した企業が91.3%と、多くの企業が負担に感じていることがわかりました。
大変だと思う領域は、「業務プロセス対応」37.9%、「システム対応」30.8%、「取引先対応」24.5%、「顧客対応」5.5%という結果になりました。
各領域で具体的に大変だと思うことは、業務プロセス対応においても、システム対応においても、1位は「紙と電子の請求書の混在」で、請求書の受領や送付に伴う保存要件に対応するために、紙と電子の両方の請求書の対応業務が一番の課題となっていることがわかりました。
取引先が適格請求書発行事業者ではない場合の対応は、5割以上が「未定」
取引先が適格請求書発行事業者ではない場合の対応について、「特に何もしない」が20.7%%、「取引先(免税事業者)に適格請求書発行事業者になるように変更を依頼する」が24.1%、「取引先(免税事業者)を適格請求書発行事業者に変更する」が3.4%、「未定」が51.7%と、半数が対応方針を定めていないことがわかりました。背景として、現時点では取引先が適格請求書発行事業者への登録が完了していない、あるいは登録完了を確認できていないために、対応方針を定める段階まで至っていない可能性もうかがえます。
<請求書の管理について>
請求書の8割以上を電子で受領している企業は8.8%にとどまる
請求書の8割以上を電子で発行している企業は23.6%であるのに対し、請求書の8割以上を電子で受領している企業は8.8%となっています。
7割の企業が電子請求書の割合を増やしたい意向
インボイス制度開始にあたって、電子請求書の割合を増やしたい企業は70.6%にのぼり、多くの企業が電子化に前向きであることがわかりました。
電子の割合を増やしたい理由としては、1位「すべて電子で一元管理していきたいから」37.9%、2位「紙と電子の混在の対応が難しいから」36.6%、3位「インボイス制度により管理が複雑になるから」30.9%と、紙と電子の混在により複雑化する業務をできるだけシンプルにしたいという意向が読み取れます。4位は「テレワークで対応したいから」27.3%で、コロナ禍を経て、経理担当者にもテレワークを取り入れたい企業が多いことがうかがえます。
<電子帳簿保存法に関して>
電子取引のため、6割以上の企業がクラウドサービスの導入を検討
電子帳簿保存法(以下「電帳法」)の改正により、電子取引で発行された請求書などは、電子で保管することが義務付けられました。こうした改正内容を知っている企業は、「知っている」「だいたい知っている」を合わせて98.5%でした。
2年の宥恕措置(2024年1月1日より義務化)がとられていることを知っている企業は95.7%となっており、電帳法への理解度は高くなっています。
電子取引の請求書などの対応に関して、すでに対策や対応方法を決定している企業は46.7%、これから決める予定の企業は48.2%となっており、約95%の企業が方針を決めている、あるいは決める予定としています。
その中でも、対応方法としてクラウドサービスの導入を検討した企業は68.0%にのぼり、電帳法の改正がクラウドサービス導入の後押しとなっていることがわかりました。
電帳法への対応で大変だと思うことの1位は「要件に対応する業務フローの変更」
電帳法への対応について、「大変だと思う」または「少し大変だと思う」の回答が92.9%と、大半の企業が負担に感じていることがわかりました。
具体的に大変だと思うことは、「電子帳簿保存法の要件に対応した業務フローの変更」72.8%、「業務フローの変更による従業員への理解促進」68.3%、「紙と電子の証憑の混在」66.2%、「電子帳簿保存法に対応したシステムの選定・導入」52.0%という結果になりました。業務フローの変更や、紙と電子が混在する信憑の管理など、これまでの業務を大きく変更する必要があることが企業の負担になっていることがわかります。
※本内容は、有効回答数464名のうち、法人事業会社回答数451名を対象に、データ集計したものです。
■調査概要
調査テーマ:インボイス制度に関するアンケート
調査実施:一般社団法人日本CFO協会
調査協力:株式会社マネーフォワード
調査対象:日本CFO協会会員を主体とした日本企業の経理・財務幹部
有効回答数:464名(うち、法人事業会社回答数:451名)
調査実施期間:2022年9月1日~2022年9月20日
調査方法:インターネット調査
■インボイス制度対応ロードマップ
マネーフォワードは、2023年10月に開始するインボイス制度対応に向けたプロダクト開発ロードマップを公開しています。
2023年10月のインボイス制度開始に合わせて、安心してご利用いただけるよう『マネーフォワード クラウド』のインボイス制度に関わる全てのサービスにおいて、順次機能開発を進めてまいります。
プレスリリース:https://corp.moneyforward.com/news/release/service/20221104-mf-press/
URL:https://biz.moneyforward.com/library/11454
■インボイス制度に関する特設サイト
インボイス制度についての基本情報や、インボイス制度に対応するうえでのお役立ち情報、『マネーフォワード クラウド』での対応機能について掲載しています。
URL:https://biz.moneyforward.com/invoice-about/
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000960.000008962.html